
芸術の響き、
それは遥かなる呼び声
人間の尊厳と、自然への畏敬を描く
日本画家 近藤幸夫
YUKIO KONDO
Concept
「人間の尊厳」と「自然への畏敬」
日本画は、1300年の歴史に育まれた日本の伝統絵画である。鉱石や樹木、動物の部位などの自然素材から作られた画材と独特の表現技法、そして高い精神性を探究する美意識によって構成される。
「人間の尊厳」と「自然への畏敬」。この時代に失われつつある人間性と、自然からの警鐘を、生涯のテーマとして描き続けたい。
作品は、作者の手を離れた瞬間から遥かな旅が始まる。世界各地で対立と分断が広がるいまも、芸術が人間性を取り戻す希望の灯となることを信じている。それが微かな光であっても。
近藤幸夫
Profile
日本画家 近藤幸夫について

近藤 幸夫 Yukio Kondo
日本画家/哲学博士/ロシア国立芸術アカデミー名誉会員
一般財団法人 中本達也・臼井都記念 芸術資源館 館長・代表理事
1953年、新潟市生まれ。師・加山又造に学び、中近東やインド、厳冬期の北海道など各地を旅しながら「人間の尊厳」と「自然への畏敬」をテーマに制作を続ける。2016年からはロシア各地の国立美術館で「国境なき美術展」を巡回した。
| 1953年 | 新潟市生まれ |
| 1977年(学士) | 多摩美術大学 美術学部絵画科日本画専攻 卒業 |
| 1979年(修士) | 多摩美術大学大学院 修了 |
| 1980年 | 渡米、ニューヨーク大学に留学 |
| 1983年 | 身延山久遠寺 天井画「墨龍」に、師・加山又造の制作助手として参加 |
| 2012年(名誉博士) | ロシア・サンクトペテルブルクで写真家・福田俊司と二人展を開催/哲学名誉博士号を授与 |
| 2014年 | 「ZooArt国際動物美術展」(国立サンクトペテルブルク彫刻美術館)招待出品 サンクトペテルブルクの美術学校・大学などで日本画のマスタークラス(講演・実技指導)を開催 |
| 2016〜2017年 | 「国境なき美術展 Art for All」を提唱し、ロシア8都市を275日間かけて巡回 |
| 2017年 | ロシア芸術アカデミー 外国人名誉会員 |
| 2018年 | 雪舟国際協会美術展 日本画準大賞(国立新美術館) |
| 2019年 | アジア創造美術展 外務大臣賞(国立新美術館) 北極圏のアーティスト・レジデンス「Nickel Fusion Now」(ロシア・ムルマンスク)に招待参加 |
| 2020年 | 視覚障がいのある人が手で触れて日本画を鑑賞する姿を描いた短編ドキュメンタリー「The Mirror of Kondo "See with Your Hands"」(パーヴェル・スラヴィン監督)がロシアで制作される 一般財団法人 中本達也・臼井都記念芸術資源館 館長・代表理事に就任 |
| 2021年 | 同作品が国際映画祭 Art in Love(サンクトペテルブルク)で第2位、ロンドンの国際映画祭で受賞。ポーランドの国際映画祭「Integracja Ty i Ja」でも上映 |
作品収蔵
新潟市:敦井美術館、知足美術館
ロシア連邦:ムイティシ国立美術館、ウラジオストク沿海州国立美術館、ウラジオストク国立海洋大学、アルテタージ・モダンアートミュージアム、カヴァリェーロヴォ公会堂、アルチョーム市立アートギャラリー、ハバロフスク極東国立美術館
Academy
活動内容について
近藤幸夫が館長を務める「中本達也・臼井都記念 芸術資源館」(東京都国立市)で、絵画教室や講演会を開いています。

絵画教室
対象:大人
日時:毎週水曜日(終日・ご都合のよい時間に)
場所:芸術資源館(東京都国立市)
内容:日本画・水彩画など
料金:10回チケット 14,000円
賛助会員 12,000円

子供絵画教室
対象:子ども
日時:第1・2・3土曜日 午後
場所:芸術資源館(東京都国立市)
内容:絵画・工作など
料金:5回チケット 5,000円
賛助会員 6回チケット 5,000円

ナイトレクチャー
対象:どなたでも
日時:第1土曜日 18:00~20:00
場所:芸術資源館(東京都国立市)
内容:戦争と芸術をテーマにした講演会
料金:大人 700円/子ども 無料
受付時間:水曜日〜日曜日 13:00時〜16時(芸術資源館)
Gallery
これまでに制作した作品の一部をご紹介します

富士桜
学生時代に山岳部だった私は、卒業後、山岳部の後輩の女性二人を富士山で失った。二人を偲び、月と暁の富士に散りゆく桜を描いた。だが、山の死を美化してはならない。
作品は理由があって描かれる。祈りがあり、悲しみも悔いも、そこにある。
真理への探究
1982年、ニューヨーク在住中に描き始め、今も画面を左右に広げながら制作を続けている。余白の美、移ろいの美、不如意の美という日本古来の美意識を、無常の概念と重ねた。
師・加山又造も、ロシア美術界の重鎮ペトロフ・マスラコフも、この作品の前で「この道を行くように」と言葉をかけてくれた。


凍樹
1991年から27年間、毎年厳冬期の北海道で自然を写生した。羅臼岳と阿寒岳周辺の原生林で出会った一本の樹を、雪洞に泊まりながら描いた。
ロシア巡回展では、すべての都市の美術館で展示した。樹は森の一部であり、大地の一部だ。人間もまた、大地に生かされている。
峠の星
夜の森で一つの星を見つけ、暗さに目が慣れると、そのまわりにたくさんの星が輝いていることに気づく。知床の森での体験から生まれた作品。光を透過する岩絵具と光を反射する金属箔で、見る角度によっていくつもの星が現れるように描いた。
ロシアの児童養護施設でこの絵を見せると、子どもたちは「この星は僕だ!」「それは私!」と声を上げた。


はにかむ子
1975年、内戦下のレバノンで負傷した私は、ある家族の家に身を寄せた。旅立ちの朝、見送ってくれた少女を描いた写生である。後に届いた手紙には、少女以外の家族が空爆で亡くなったことが綴られていた。手紙の隅には、私が贈った赤い珊瑚色の鉛筆で、朝陽と小さな二つの人影が描かれていた。
この写生は「国境なき美術展」のシンボルマークになっている。
Resilience 困難を越えて
2019年、ロシアで大規模な森林火災が起きた。バイカル湖周辺とウスチクートの火災跡地へ写生に行き、雪の下から焼け落ちた炭の破片を見つけた。「この炭で描け」と大地が言っているように感じた。
制作は常に探究の途上にあり、私は旅を続けている。


鏡の中の人々/群像/希望
1975年、インド・カルカッタ郊外の難民キャンプで写生をした。洪水や旱魃から逃れてきた人々、路上に生きる人々を描いた。40年後、世界で難民が急増するなか、これらの作品を「国境なき美術展」で展示した。
画面のひび割れには銀箔を施した。描かれた人々の瞳に映っているのは、傍観する私たちだ。
Contact
お問い合わせ
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※教室のお申し込み・お問い合わせは、芸術資源館(042-507-5795)までお電話ください。